こんばんは。
今日は先日の続きのお話をしたいと思います。
「ステンドグラスって、どうしてそんなに高価なの?」
という質問を時々伺います。
それには実は、いくつも理由があります。
というお話でした。
その理由はコチラ。
①素材のガラスやその他の材料費の問題
②ステンドグラスの工程 (いくつあると思いますか?)
③技術(腕)
④デザイン・カタチのこと
今日は、その②のお話をしたいと思います。
みなさんは、ステンドグラスの工程っていくつ位あると思いますか?
5つ?
6つ?
いえいえ、実は生徒さんが1回作ってみた方でも、「え〜っと、この後って一体何するんだっけ?」となる位の工程があるんですよ。
今日はその工程のお話をしたいと思います。
ステンドグラスの工程
その① デザインを考える
どんなものでもまずはやっぱり、デザインは大事ですよね。
Nijiiro Lamp のステンドグラスは、作家が全て考えたオリジナルデザインです。
何年も、何か月もあたためてきたものから、ある日”ふっ”っと思いついたデザインまで、作家が『うん!これだ!!』ってときめいたモノしかカタチになりません。
その② 型紙を作る
作家がときめいたデザインは、実際に立体にしてみると、どんな感じになるんだろう。
そして、どこをどんなサイズにしたら、最初に思い描いたデザインに近づくことが出来るんだろうと、紙で作った立体モデルと型紙を何度も作り直します。
この時に、できあがった立体モデルがときめかなかった場合は、その後ガラスで作られることはありません。
その③ ガラス選び
隣り合うガラスを並べ、色のバランスや初めのデザインのイメージに合ったガラスを選びます。
この時間が一番大好きな時間で、また一番時間をかける場所でもあります。
おひさまや電球の光にガラスを当てながら決めていきます。
もしこの時にガラスが決まらない場合は、新たなガラスを仕入れるほど、ガラス選びにはこだわっています。

その④ 選んだガラスに型を合わせ、マジックでカット線を書く
色の濃いガラスのマジック線は、なかなか見えなくて大変です。
が、ここは工夫とテクニックと作家の感覚の見せ所でもあります。

その⑤ ガラスをガラスカッターでカットする
ガラスは紙を切るようにチョキチョキ切りたいところから、切りたいところまでを切って止まることができません。
どこから切るのか、どのように切るのかにも、作戦が必要です!

その⑥ ガラスを割り取る
ガラスはただガラスカッターを通しただけでは、割り取ることはできません。
カッターの後ろでたたいたり、ペンチやフレッチャーグリップなるものなど、様々な道具を用いて、そのカットに合わせて切りたいカタチに割り取ります。

その⑦ ガラスのエッジをペンチで落とす
割り取った後もガラスのエッジはとても危険です。
とがった部分や、ガラスが型紙よりもサイズが大きい場合は、「ガリ」という道具を使って、ガリガリ削ります。
ここまでの作業で、例えば Nijiiro drops というガラスパーツ40個の作業でおおよそ丸1日かかります。
生徒さんだと月1回の教室の方で、4~5か月かかる生徒さんも見えるほどの作業内容です。

その⑧ グラインダーでガラスの成型する
キレイに型紙通りにガラスカットができるようになると、ここは通すだけでできあがります。

しかし、カットの技術がまだない方は、このグラインダーの時間が1番長く、パーツを型紙のサイズにそろえるのにまた数か月、費やすこともしばしば。

Nijiiro Lamp のステンドグラスも、丸いガラスパーツなどを使ったランプなどは、ここに数時間を要しています。
そしてここで、立体のモノは更に端に斜め削りという方法で美しく仕上がるよう、技術を施します。

その⑨ ガラスの粉を取るため、タワシでガラスを洗う

ガラスを削った際にでたガラスの粉がこの時に残っていると、この後の作業で使う、銅のテープの粘着が弱くなったり、外れやすくなったりして、耐久性に影響を及ぼします。
なので、Nijiiro Lamp ではしっかりタワシ洗い、しっかり水分をふき取って次の作業に進みます。

その⑩ 銅のテープを巻く
銅テープをガラスの真ん中に来るように貼っていきます。

その⑪ ヘラを使ってテープをガラスに密着させる
簡単そうに見えて、なかなか気を使う作業がこのヘラを使った作業です。
時々教室から聞こえてくる悲鳴にも「あっ!テープが破けちゃった~」とか「しまった!テープめくれ上がっちゃった!」なんてこともあるんです。

その⑫ ハンダ付け作業 銅テープにハンダをコーティングする

その⑬ ハンダ付け作業 ガラスを組み合わせ、立体化し、ハンダを盛って仕上げる
この作業もステンドグラスの技術の見せ所です。
何度も何年もハンダと会話をし、経験を積み、ハンダと会話をすることから逃げなかった人だけができる技があります。
最近はステンドグラス作家さんも増えてきて、様々なイベントでステンドグラスにも出会えるようになりましたね。
その時には是非、ハンダがキレイに盛れているか見てからご購入下さいね。
しっかり盛れていなかったり、歪なものは壊れやすいんです。
それに大きなランプを作る時は、片手でランプを持ち続けながら、ハンダをする部分がいつも平行であるように保ちハンダ付け作業をします。
10分に1度は置かないと、腱鞘炎になります。(笑)

その⑭ 洗剤で油分を洗い流す
この時にしっかり油分を落とさないと、ガラスが白く濁ったステンドグラスになってしまいます。

その⑮ パティーナでハンダを染める
パティーナにも色んな種類があり、アンティックパティーナはその人の染め方の工夫によって色も変わるので、とても奥が深いものなんです。

その⑯ 水洗いをし、余分なパティーナを洗い流す

その⑰ ガラスを洗浄剤を使って磨く

その⑱ ワックスをかける

その⑲ 各種ベースに取り付ける
この時にも、Nijiiro Lamp では通常の引っ掛けシーリングのチェーンをご希望の長さに調整したり、ブラケットベースでは、お好みの木製ベースを選んでいただいたりすることができます。

できあがり ♪

というわけで、長文になりましたがステンドグラスの工程、わかっていただけましたか?
時々、職人が1日一つしかできない「こし器」や「包丁」などをテレビでお見かけする場面があります。
Nijiiro Lamp のステンドグラスランプもそれに負けないほど、手をかけ、時間をかけ、1日どころか3日、1週間、1か月かけて作る作品もあるんですよ。
そんなこんなでこのブログを書くのにも、相当時間を費やしました(笑)
ステンドグラスの魅力、みなさまに伝わりましたでしょうか?
しかしこのお話は、まだ終わりません(笑)
続きはまた後日。
長文読んでくださり、ありがとうございました。